レーニング用語(忘れないようにかきとめ)


L1:Level 1。Cogganのトレーニングレベルでもっとも低いレベル。Active RecoveryまたはARとも呼ばれる。FTPの55%以下のパワー領域。

L2:Level 2。EnduranceまたはEとも呼ばれる。55%FTP<パワー≦75%FTP

L3:Level 3。TempoまたはTE。75%FTP<パワー≦90%FTP

L4:Level 4。Threshold、Functional ThresholdまたはFTとも呼ばれる。90%FTP<パワー≦105%FTP

L5:Level 5。VO2maxまたはVMとも呼ばれる。その名の通り有酸素的にエネルギーを産生する上では最も高いパワーゾーン。105%FTP<パワー≦120%FTP

L6:Level 6。Anaerobic CapacityまたはACとも呼ばれる。この範囲のパワーでの練習は無酸素的エネルギー産生系にストレスをかけ、無酸素作業容量(AWC:Anaerobic Work Capacity)を増大させると考えられている。パワー>120%FTPの領域。

L7:唯一FTPに対するパーセンテージが定義されていないパワーレベル。Neuro-muscularあるいはNMとも呼ばれる。骨格筋と神経の連携を強化してより多くの筋繊維を動員して瞬間的な最大パワーを発揮させるための練習である。極めて短時間(<15秒程度)に大きなパワーバーストを発生させるような練習となる。

SST:Sweet Spot Trainingの略。上記パワーレベルのL3とL4の境目付近を中心とする領域(Sweet Spot)に時間をかけて練習することにより、非常に効率よく有酸素エネルギー産生系に負荷を与えてFTPを増大させることができると考えられている。

AP:Average Powerの略。

NP:Normalized Powerの略。同じ時間で同じパワーの平均値のライドでも、高強度インターバルをやった場合と一定ペース走では肉体に感じる疲労度が異なる。これを定量的にあらわすために、Dr. Cogganが考え出したアルゴリズムによってパワーデータを高強度側に重み付けしてから平均した数値(実際のアルゴリズムはもっと複雑だが、詳しくは上に挙げたPower411のリンクを参照して欲しい)である。パワー変動が少なければNP≒APとなるが、変動が大きいとNP>APとなり、変動が激しいほどNPとAPの比(VI)が大きくなる。1時間全力で運動した場合、ほとんどの場合ではNPはFTP近辺の値を取ることが経験的に知られている。逆に言えば、1時間の変動パワー運動のNPがFTPを大きく上回るような場合はFTPが上昇したために再テストが必要という目安になる。ただ、ときにNP busterと呼ばれ、FTP以上の1時間NPを発揮できる個人が存在することも知られている。

IF:Intensity Factor。NPのFTPに対する割合。例えばFTPが250Wの人がNP=225の練習ライドを行うとIF=225/250=0.9となる。

VI:Variability Indexの略。VI=NP/APである。

TSS:NPやIFは平均の強度に対応した数値で、これを時間で積算したものが体に対する練習の負荷の総量と捉えることができる。TSSはTraining Stress Scoreの略で、練習が体に与えるストレスの総量を定量的に示すための指標である。これによって、質的にまったく異なる練習でも全体的なストレスを定量的に比較あるいは計量することが可能となる。計算式としてはTSS=IF^2*(練習時間)*100。練習時間の単位は時間(H)。FTPちょうどで1時間運動した場合のTSSは定義により100となる。

PMC:Performance Management Chartの略。CyclingPeaks WKO+ 2.1の新機能。Impluse-Responseモデルにしたがって、日々の練習量の変化からレースでのパフォーマンスを予測するチャートである。このチャートは次の3つの指標から構成される。

ATL:Acute Training Load。直近のトレーニング負荷を定量化したもの。多くのトレーニングをした直後は疲労度が高いと考えられるため、ATLはImpluse-Responseモデルの疲労度に相当するものと言い換えても良い。

CTL:Chronic Training Load。長期にわたるトレーニング負荷を定量化したもの。長い期間にわたって多くのトレーニングを積めばそれだけフィットネスが向上するはずなので、CTLはフィットネスに相当する概念と言える。

TSB:Training Stress Balance。(前日の)CTL-ATL。Freshness(元気さ?)に対応する。Impulse-ResponseモデルのForm(調子)と解釈すると話がおかしくなるので注意が必要。